本当にやりたいことをしていいの?!


『高校生の次男が心配で』

ご相談を受けました。

ゆきさん(仮名)のお話は

要約するとこんな感じでした。

 

『長男は、自分でやりたいことを見つけて

大学を選びました

 

夫と私が思っていた適正とは

ちょっと違う方面ですけど

 

でも、本人がやりたいっていうんだから

それはそれで尊重して

行きたい大学に進学して

がんばっています。

一方、問題は次男なんです。

 

次男は

やりたいことが見つからないといって

進路を決めかねています。

 

部活がテニスで

テニスは一生懸命なんですけど

テニスじゃ食べてけないし

ほんとにいい子で

人に流されやすいんです

 

友だちの影響か

マンガばっかり読んでて

 

なんでもいいから

自分のやりたいこと、みつけて

一生懸命やっていって欲しいんですが

 

あまり積極的ではなくて…

 

 

親の価値観を

押しつけるつもりはありません。

 

何でもいいんです。

自由に、好きなことをやって欲しいんです…』

 

 

 

お母さんですから!

ゆきさんのお気持ちは

すごくわかります。

 

 

 

ただ、言ってることに

矛盾があるんですよね。

皆さんは、この矛盾、わかりますか?

 

 

 

その矛盾を明確にするために

私は訊いてみました。

 

 

「好きなこと、

もう、やってるじゃないですか。

テニスもマンガも。

好きなことですよね⁉」

 

「好きなことって、

マンガじゃダメなんですか?」

 

「好きなことって、

テニスじゃだめなんですか?」

 

 

お母さんは

当たり前でしょ!って勢いで

即答していました。

 

『それじゃ、将来

仕事にならないじゃないですか!』

 

『やりたい仕事をしてほしい、

ってことを言ってるんであって、

趣味とか遊びの話じゃないんです!』

 

 

ゆきさんの考えも

よくわかります。

 

お母さんですもんね!

心配されるのももっともです。

 

 

「では、マンガが好きで

マンガ家になったり

編集者になるに人もいますよね。

 

マンガをプロデュースする仕事や

世界に発信していく仕事、

マンガ家の卵を見つけて育てたり

マンガの書評を書くブロガーもいます。

マンガに関わる仕事って

結構いろいろあると思うんですけど。」

 

 

私がそう訊ねると

ゆきさんは考えていることを

教えてくれました。

 

 

『出版社ならまだしも

それ以外の仕事って、

なんだかよくわからないし、

安定しないじゃないですか。

 

本が売れないって言われているんだから

出版社だって

どうなるかわかんないでしょ!?

 

そんなんじゃなくて

もっとちゃんと将来が見通せて

それで食べていけるような仕事を

見つけて欲しいんです。』

 

 

 

「ちなみに、テニスはだめなんですか?」

と訊くと、

 

『テニス選手なんて無理でしょ!』

 

とちょっと呆れ気味のお母さん。

 

 

「テニス業界だって、選手以外に

仕事はたくさんありますよ。

 

 

ウエアやシューズ、道具の

開発、デザイン、流通、販売

大会の運営にかかわることもできるし、

 

テニスクラブやサークルで、

コーチやサポーターとして

子どもたちを育成することもできる。

 

地方や海外の田舎の方に

テニスを普及させたり、

テニス誌や新聞の

編集や記者っていうのもありますよー。」

 

 

 

『それはわかりますけど

安定しない、と思いません?!』

 

『ちゃんと安定して、

50歳になっても60歳になっても

お給料がもらえて、

路頭に迷うことがないように

当たり前ですよね?!』

 

 

ゆきさんの言っていることは

ごもっとも!

 

 

だけど、

やりたいことなら『なんでもいい』

と言っているように見えて

 

 

実は、

『お母さんの価値観に当てはまる中で』

やりたいことをやれ、って言っているのです。

 

 

 

「安定して、お金を稼げるもののなからから

好きな仕事を選びなさい。

好きな仕事につながる科目を選んで

進学を考えなさい」

 

 

 

これでは、

自由に何でもやりたいことをやってほしい

という言葉とは

全く違うものを要求していることになります。

 

 

 

これではお子さんも混乱します。

せっかく何かを見つけても

却下されるかもしれないんです。

 

実際、テニスやマンガに関わる仕事は

会話のテーブルに上がったことがあるそうですが

 

お母さんにも、お父さんにも

既に却下されたそうです。

 

 

いったい、どうすればいいのでしょう?

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